寿福寺
[出雲三十三番観音霊場]
JRバス寿福寺前で降りると、吉田村の石田正夫氏寄進の「寺号とご詠歌」を刻んだ大きな石柱が迎えてくれる。寿福寺界隈は静寂そのもので、古びた右段をのぼると右に本堂があり、さらに右段をのぼりつめると観音堂がある。山号を飯石山と号し、開祖は書写山の開祖性空上人で、当時は、天台密教に属し、出雲風土記にもある飯石神社の神官寺の格式をもち、春日の作聖観世菩薩を祀る古刹である。数度の火難に遭い衰退した時期もあったが、永禄十三年毛利元康公が外護して玄了長老が曹洞宗に改宗して復興、給下梅窓院二世竜山文啓を請して中興開山としたものである。
当寺には平安時代から伝わる「堂餅引」が毎年二月一日盛大に行われている。奈良東大寺二月堂「修二会」の堂餅行事の流れを汲む珍らしい伝統行事で、刀を持った若者達が、観音堂の梁につられた大餅を先を争って切り落とす勇壮な祭礼でめる。
又当寺には、永禄五年の銘をもつ三沢庄源為貞寄進の鰐口が残されており、県の指定文化財である。当山四世契心宜通和尚は、雲州三沢城主三沢為虎の曽孫であり、その因縁から当山に移転されたものと思われる。
境内の裏山一帯は椎と樅の自然林で、観音堂の周辺には、飯石神社の元宮といわれる鎮守飯石神や、眼病祈願の「護符水」の涌き出る薬師堂があり、さながら幽玄の境に身を置く思いのする霊地である。
<ガイド>
●宗 旨/曹洞宗
●ご本尊/聖観世音菩薩
●行 事/堂餅引 浄梵会 2月1日
大般若会祈祷法要 4月17日
十七夜祭 8月17日
大施食法会 8月21日
●名 所/三刀屋天満宮 雲見滝 三刀屋城跡公園 永井記念館
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