禅定寺
[出雲三十三番観音霊場]
昔の広島街道、今の国道54号線は宍道町から加茂、木次、三刀屋を経て中国山脈の吹ヶ峠、赤名峠を越えて三次より広島に達する延長172キロの幹線道だが、三刀屋川はこの街道沿いを流れる。峯寺を後に山を下り三刀屋川を渡って国道へ出る。そして右に三刀屋氏八代の城跡を見ながら川沿いに上流へとさかのぼっていくと鍋山の集落へ入る。ここから国道と離れ、再び三刀屋川を渡って曲がりくねった県道出雲・仁多線を約2.5キロほど登ればバス停禅定寺前へ。ここからが樹木に覆われた参道で勾配の急な坂道となる。約500メートル程で石段となり、門を入ると正面に三間四面の観音堂がある。寺伝によれば、行基菩薩が開創し御本尊聖観世音を刻まれたという。御本尊はカヤの一本造り、高さ2.3メートルの立像で重要文化財に指定されている。また、聖武天皇の勅願の霊場としてかつては隆盛を極めた。境内からは遠く中国山脈の雄大な景観を望むことができる。
<ガイド>
●宗 旨/天台宗
●ご本尊/聖観世音の菩薩
よろずごと よきをさだむら てらなれば まいるこころの すえはたのもし
島根県雲南市三刀屋町乙加宮1874TEL0854-45-4360