鰐淵寺

鰐淵寺

[出雲三十三番観音霊場]

鰐淵寺イメージ

平田市からバスで三十分、清流に沿って歩むと、夏でも膚寒さをおぼえるほどの樹林をくぐり抜けたところにある。
創建の縁起は、推古天皇の二年(594)智春上人が浮浪の滝に潔斎し、推古天皇の眼病平癒を祈願されたところ、亡ちまち霊験が顕れて病魔は平癒しこの聖浄に堂宇を建立し、勅願寺と定められたのが起こりである。また寺号の由来についても、建長六年(1254)の鰐淵寺衆徒勧進帳によると、「智春聖人が、この時誤って仏具を滝壷に落とされたが、鰐があらわれて拾いあげた」。それにちなんで鰐淵寺の名がつけられたと説いている。本尊は千手観音と薬師如来を合祀しているが、その後の年中に出雲大社の別当寺となり、山王一実神道の思想も加わった。
こうした思想の流れは、僧兵をかかえ、南北朝には後醍醐天皇の隠岐流配に行宮し、また戦国時代に毛利元就と深く関るなどして、山陰地方に大きな力をもつていたが、明治維新の排仏棄釈から次第に影を失った。
境内は大慈橋から本坊と休憩所の滴翠館があり、幽幻な右段を登ると本堂に通じ、左に三台杉が天にそぴえ、傍に常行堂、摩多羅神社を配し、弁慶の硯水が本堂の後にある。右に弁慶で名高い鐘楼から苔むした石段を下ると往時を偲ぶ旧遺跡が点在する。また多くの文化財は右段の右にある収蔵庫に収めてある。さらに有名な浮浪の滝は、大慈橋から左に一キロほど山中に入った所で、この法地発祥の瀑布の辺りは奥ノ院として尊ばれている。

くガイド〉
●宗 旨/天台宗
●御本尊/千手観世音菩産
薬師如来
●行 事/弁慶まつり(10月10日)
もみじまつり
大梵焼会(11月23日)
●名 所/一畑薬師・木佐本陣・出雲大社

 

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平田から口宇賀を経由して河下港に出るときれいな日本海と湾の先の十六島を見渡すと「出雲ウインド

ファーム」の風力発電の風車が10機余り見えてきます。その道路を3キロほど走ると出雲札所3番

「鰐渕寺」に着きます。

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歴史のありそうな仁王門を潜ると正面右手の川の向こうに本坊が見えてきます。

 

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石段の途中の紅葉

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本堂目前の石段の上がり口の亀に乗った灯籠(めずらしいと思います)

 

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本堂右横の「摩陀羅社」               「摩陀羅社」前の大銀杏の横から本堂を見る

 

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晩秋のころは、石段が紅葉のトンネルになる

御詠歌

たれもきけ おいせぬやまの まつかぜの ちよよろずよの のりのこえをば

アクセス

平田市別所148TEL 0853-66-0250