観音寺
[出雲三十三番観音霊場]
出雲三十三観音霊場の第四番観音寺は、国道九号線沿い、市役所などが立ち並ぶ、出雲市の中心部に近い場所にある。宅地造成によって周囲にほとんど緑はなくなってしまったけれども、ここだけは多くの樹木に覆われて多くの鳥や昆虫たちの楽園になっており、多忙な日々の一時のオアシスを求めて観音寺を訪れる人も多い。
『縁起』によれば、観音寺はもと円成寺といい、一漁師によつて海中から引き揚げられた十一面観音がここに安置された際に観音寺と改められたという。諸々の資料から古くは真言宗を宗旨としていたことが知られるが、十七世紀中頃、松平直政公の縁によつて再興された際に臨済宗妙心寺派の末寺となり、現在に至っている。
本尊十一面観世音菩薩像が安置される観音堂は、山門から入ると真正面に見えるが、三十三年に一度しかその姿を拝み見ることのできない秘仏でめるため、普投はその像を収めた厨子が見えるだけである。しかし、その厨子の中から放たれ、普く世間を照らす無垢清浄なる光、無量なる大慈大悲を求めて参拝に訪れる人の姿は絶えることがなく、その妙相に捧げられる香煙に境内は一日中覆われる。
関係行事としては、観世音菩薩の縁日である七月十日に観音大祭が行なわれでいる。四万六千日信仰に基づいて開かれるこの祭りは毎年多くの参拝客で賑わい、地域の人々にとつての良き心のよりどころともなっている。その他、毎月十七日には多くの講員を集めて
観音講が開かれ、御詠歌などでその諸カを讃えている。
くガイド〉
●宗 旨/臨済宗
●御本尊/十一面観世音菩薩、薬師如来
●行 事/観音大祭(7月10日)観音講(毎月17日)大般若転読祈祷(正月3ケ日)
彼岸会(春秋彼岸中日)山門施餓鬼(8月10日)
国道9号線沿いのこの看板横から南に100メートルほど入ると左側に駐車場があり、そのとなりに
立派な山門があります。
山門に掲げてある 「補陀山」という山号額 山門のすぐ右にある鐘楼堂
観音堂の奥にある本堂右手入り口には珍しい「勅使門」があります。
右手の庫裏から観音堂に渡る渡り廊下越しに「勅使門」を見る。廊下の下の部屋が「納経所」
観音堂の左側から山門、鐘楼堂を振り返るとこんな感じ。
かねのねも まつのあらしも みのりぞと あさやまざとに こころあるらん
新出雲市役所の西側の国道9号線沿いに街中には珍しいこんもりとした木立の中に観音寺がある。山門横には整備された駐車場もあり、塔が無いくらいでこの地方では素晴らしく伽藍が整っている。 観音堂の後ろには、勅使門のある本堂があり、鐘楼堂も立派なものである。
出雲市渡橋町4番地TEL0853-22-3162